ボーイスカウトについて Vol.4
なんとなく聞いたことはあるけど、「ボーイスカウト」って、よくわからない。
募金活動とかキャンプとかやっているイメージだけど、何を考えているのかわからない。
制服を着た謎の集団?と思っているパパさんママさんも多いのではないでしょうか。
ここでは、「ボーイスカウト」について、ご案内します。
異年齢の「班制教育」(パトロールシステム)
ボーイスカウトでは、異年齢の子供同士が協力し、各々の役割を担い、班としての目標を達成していくことで、子供の自発的活動を促す教育システムを実践しています。
年代に合わせた少人数集団
ボーイスカウトでは、異年齢で構成する小集団で子供の自発的活動を促すことを教育の柱に据えています。これを「班制教育」と言います。スカウトの成長段階に合わせて、ビーバーでは班分けはせず(必要に合わせて「グループ」を組むことがあります)、カブスカウトでは「組」、ボーイスカウトでは「班」、ベンチャースカウトでは「チーム」と呼んでいます。
子供同士が目標を持ち、協力し、互いに学びあい、高めあうことで、資質を養っていきます。
ビーバー隊やカブ隊では、活動は指導者(隊長やデンリーダー)によって運営されます。集会で何をするのか、どのように運営するのかは指導者が決定します。ビーバー隊では、楽しいプログラムの中で仲間意識をもたせていきます。カブ隊では、組長・次長などの役割を持たせ、個々の活動の中で、自分達で考え、協力し、判断することができるように導いていきます。
ボーイ隊になると、大人の関わり方がぐっと少なくなります。ボーイスカウトたちは、自主性を育み、班の中で自ら役割を考え、実行し、自らを、そして互いに高めていくことを求められます。
ボーイ隊の「班」が、スカウト運動の重要な位置づけとなっており、ビーバー隊やカブ隊は、この「班」のメンバーとして十分に役割を果たし、かつ、かけがえのない仲間になることを目指して、資質を養っていくことを目指します。1人ではなく、仲間から学びあい、仲間と助け合う集団、それが「班」なのです。
しかし、つまらない活動では、スカウトたちはすぐに興味を失ってしまいます。ボーイスカウト活動は、グループや組で楽しいプログラムに取り組み、本来子どもが持っている興味や意欲、そして夢や憧れといったエネルギーを引き出して、自分自身で段取りをして物事を行っていく力を育てることを目指しています。
少人数集団での自治と役割
ボーイスカウト以上の活動では、できる限り班の自治によって、自発的に活動するよう、指導者は促していきます。班の中で興味をもったこと、やりたいという気持ちを大切にし、班長を中心に計画立案し、様々なプログラムを行っていきます。
スカウトたちは、自分がやりたいと思ったことには、一層積極的に取り組みます。そして、そこから生じた結果に対して、それがどんな結果であれ、前向きな反応を返し、次の活動へ繋げていきます。一つ一つの活動の積み重ねで、達成感や満足感、そして自信が生まれてくるのです。
時には、個々のスカウトにとっては望まない活動があるかもしれません。しかしそれも一つの経験。スカウトたちは、幼いころから仲間としての活動を積み上げ、協調性を育んでいます。他の班員の要望を受け止め、互いに尊重して活動することを、少しずつ身につける環境がつくられています。
スカウトそれぞれが得意不得意を持っている中、得意不得意を活かし、班の中で役割を担っていくことが求められます。スカウトたちは、自分の役割や求められていることを認識して、行動・成果を積み上げ、そのプロセスを向上させ、かつ競争させていきます。自ら目標をもって行動することにより、自然と成長する基礎が出来上がっていくのです。
更に、自分の活動や成果が他者のために役立ったり、班に良い影響を与えたときは、スカウトはより強い満足感や達成感を感じ、向上心を生む原動力になり、そこからチームワークやリーダーシップが養わるのでしょう。
また、各隊の対象年代が決まっていますので、スカウトたちは、毎年年上のスカウトが上進していき、年下のスカウトが上進してくることになります。当然、年ごとに自分の立ち位置も変わっていきます。手伝ってもらう立場から助ける立場へ。年下のスカウトは年上のスカウトから学び、憧れ、年上のスカウトは年下のスカウトに教えることによって、自分が習得したことを認識し、高めていくことができるのです。
同年齢のスカウトだけだと、互いに学び合うことよりも、ライバル意識の方が強くなってしまう傾向があります。異年齢にすることでそれが解消され、互いを尊敬する気持ちが生まれ、競争心も押さえられるのではないでしょうか。
また、できるスカウトができないスカウトを教えてあげるという関わりの中から、優しさやいたわる気持ちも生まれてきます。これらのことは、子供の情緒面の成長には欠かせない大切なことなのです。
そして、尊敬できる班長を見ていた班員は「次は自分が班長になりたい」と思うでしょう。時には「もっとこうしたかったから、自分が班長になりたい」と考えるかもしれません。班長は、大人が決めるのではなく、班の話し合いで決められます。班長として相応しいと思われるためには、自分がどうすべきかを考え、行動することが必要になります。
更に、班ごとの活動をするということは、ライバルとなる他の班がいるということでもあります。他の班の存在が、「負けないぞ!」という気持ちを強め、団結し、役割を認識し、担い、分担することが必然となる環境を作ります。競争して班の力を高めていくために、個々のスカウトが切磋琢磨して、互いの知識や技術を高め、互いに助け合う意識と精神を養うことができるのです。
●マメ知識● 自治の三訣(じちのさんけつ)
ボーイスカウトの前身である少年団日本連盟初代総長の後藤新平は、自治こそが人間生活の根本であり、信と愛の奉仕こそは社会生活の源泉であるとして、自治の三訣を訓えました。
人の御世話にならぬよう
人の御世話をするよう
そしてむくいを求めぬよう
そして、死の間際に「よく聞け、金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。よく覚えておけ」と残したといいます。
出典:Wikipedia