ボーイスカウトについて vol.1

なんとなく聞いたことはあるけど、「ボーイスカウト」って、よくわからない。

募金活動とかキャンプとかやっているイメージだけど、何を考えているのかわからない。

制服を着た謎の集団?と思っているパパさんママさんも多いのではないでしょうか。

​ここでは、「ボーイスカウト」について、ご案内します。

そもそも、ボーイスカウトって何?

ボーイスカウトとは、世界的な青少年運動のことで、野外活動などを通して、社会で活躍する人を育てることを目的としています。

1907年、アウトドアの達人であるロバート・ベーデン・パウエル卿が、青少年育成の構想を固めるために、イギリスの小さな島、ブラウンシー島で20人の子供達と実験キャンプを行いました。少年たちは仲間を作り、協力し合いながら様々な活動やゲームをし、実験キャンプは大成功に終わりました。ベーデン・パウエル卿は、その成果をまとめて、翌1908年に青少年の育成法を提言した「スカウティング フォア ボーイズ」を出版しました。

この本はベストセラーとなり、瞬く間にスカウト活動はイギリスス全土に広がりました。その後スカウト活動は全世界へ広まり、現在では、世界169の国と地域で約4,000万人が活動しています。

ボーイスカウトの基本知識

ボーイスカウトの目的とは

​ボーイスカウト運動は、自発的で非政治的な教育的運動です。「自ら進んで幸福な人生を切り開き、社会の発展に貢献する有為な青少年の育成」を目的としています。

「ちかい」と「おきて」の実践、「班制教育」と「進歩制度」により、体系的な教育システムで、長期的に子供たちを育てることを、目指します。

ボーイスカウトの組織を通じ、青少年がその自発活動により、自らの健康を築き、社会に奉仕できる能力と人生に役立つ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信及び国際愛と人道主義を把握し、実践できるよう教育することをもって教育の目的とする。

(日本連盟 教育規定より)

●マメ知識●「Scout」とは?

​「Scout」とは、元々大自然の中で高度なサバイバル技術を身につけ、敵情や地形、動植物などの状況を偵察する斥候を示します。ベーデン・パウエル卿は、元は大英帝国の軍人でした。

この斥候技術を基に、遊びやゲームを取り入れて、子供達の教育手法が作られました。

そして、「Scout」には、希求や先駆者という意味もあります。

「ボーイスカウト」は、「平和の希求者」という意味を込めて、名づけられたのです。

ボーイスカウト出身者がすごい!?

宇宙飛行士に多い!ボーイスカウト出身者

日本人初の国際宇宙ステーションクルーに選ばれた野口聡一さんはボーイスカウト出身者です。

なんと、アポロ計画で月面に降りたった宇宙飛行士12人の内、11人がボーイスカウト出身、アメリカのNASA(航空宇宙局)の宇宙飛行士の2/3以上がボーイスカウト出身者であるというデータがあるのです。
宇宙飛行士には強靭な体力はもちろん、探究心やリーダーシップなども求められますが、これらはボーイスカウトで培われたものなのかもしれませんね。

野口聡一さんは、1974年に兵庫県でカブスカウトに入隊し、以後転居により、横浜、茅ケ崎と移籍をしながらボーイスカウト活動を続け、今でも茅ケ崎2団の指導者を務めていらっしゃいます。

更に、福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治さんに続いて、2番目のボーイスカウト日本連盟のボーイスカウトアンバサダーとして、ご活躍していただいています。

ボーイスカウト出身の有名人

お笑い芸人の宮川大輔さんは、ボーイスカウトアンバサダー(親善大使)を務めています。お笑いだけでなく、多方面で活躍する行動力は、ボーイスカウトで得られた力なのでしょうか。

テレビ朝日のトーク番組で「ボーイスカウト芸人」が特集された時は、宮川大輔さんのほかに、近藤春奈さん(ハリセンボン、ガールスカウト出身)、長野博さん(V6)、豊本明長さん(東京03)などが出演され、ボーイスカウトの魅力を話されていました。

その他には登山家の野口健さん、橋本龍太郎元総理、麻生太郎元総理、元サッカー日本代表監督である岡田武史さん、オバマ元大統領、アメリカの実業家ビル・ゲイツさん、映画監督であるスティーブン・スピルバーグ監督、サッカー選手のデイビッド・ベッカムさんなど……世界で活躍する有名人もボーイスカウト出身者です。

幅広い領域で活躍しているのは、自ら学び考える、というボーイスカウトの基本が生きているのでしょうか。

ボーイスカウトの安全対策~最重要課題~

ボーイスカウトの活動は野外活動が中心。各団によって安全管理のマニュアルを設けているところもあります。多くのスカウト達の指導者はどのような対策を取っているのでしょうか。

指導者が安全講習、救急法講習を受けている

野外で活動をする際には危険が隣り合わせです。集団で行動するので、指導者の多くが安全講習や救急法の講習を受けてスカウトの健康面も含め、万が一に備えています。また各種保険への加入や地区への届出も行うようにしています。

●マメ知識●「セーフ フロム ハーム」とは?

子供の権利条約を取り入れ、より良い教育の提供と危害のないスカウト活動を目指す。

ハーム=危害から子供を守るため、指導者がどうあるべきか、という考え方です。

​ボーイスカウトの指導者は、全員セーフ フロム ハームの基礎講習を受講しています。

ハイキング、登山、キャンプなど決して安全とは言い切れない場所での活動を行うこともあります。その際は予め、場所の下見を複数人で行い、しっかりとスカウトたちの目線で危険箇所をチェックしていきます。

野外活動の場所を下見する

ボーイスカウトでは自分の身は自分で守るよう、危険回避方法も含めて自ら考えて行動するように指導しています。一人一人が安全対策の認識を持つことで、安全に野外での集団行動を行うことができるのです。

各人に安全対策の意識を持たせる
例えば…

昔、えんぴつ削りなんてない頃、鉛筆は小刀で削るものでした。何度も何度も繰り返し刀を滑らせ、少しずつ滑らかに調整し、鉛筆の先を尖らせる。子供達は、少なくとも翌日必要な本数を、1本1本削り、尖らせることが日課だったのです。

この頃は、日々鉛筆を削る中で、子供が指を切ったり刺したりという事故は、珍しいことではありませんでした。時には手を滑らせて神経を傷つけてしまい、後遺症が残るほどの傷を負った子供さえいたのです。

子供たちの悲しみを受け、安全で簡単に鉛筆が削れるように鉛筆削りが発達し、子供達が刃物を扱う必要はなくなりました。子供達は、毎日「楽に安全に簡単に」鉛筆を削れるようになり、刃物の危険から守られるようになりました。

しかし、その反面、小刀で削るという能力が育つ環境がなくなってしまったのです。現代では、鉛筆は鉛筆削りで削るものであり、刀を使って削らなければならない状況はまずありません。日々の生活の中から、「刀を使った鉛筆削り」が消えてしまったのです。

では、小刀の使い方を学ばなくてもよいのでしょうか。そうではありません。「危険を知る」ということがなければ「危険を回避する」ことはできません。自ら考え、行動する中で、危険を判断したり回避したりする能力が身につくのです。そして、刃物の扱いは、人間として生きていく上で、基本的に必要な能力の一つなのです。

ボーイスカウトでは、カブスカウトで刀を使ったえんぴつ削りに取り組みます。刀の正しい使い方を覚え、正しくない使い方の危険性を認識し、そして正しい使い方が100%安全ではないことをしっかりと教えたうえで、刀に取り組ませます。

100%保護するのではなく、放置するのではなく、しっかりと教え導くこと。

危険がない道を用意して歩かせるのではなく、自ら危険を判断し、どのように回避したり乗り越えたりするのかを考える土壌を培うことが、ボーイスカウトの基本的な理念なのです。

リンク

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